menu.37「爽夏」
2013年7月4日
いよいよもって夏に突入した。
朝からセミの抜け殻を発見、しかも今夏最初の奴を見つけた瞬間、あの騒がしい鳴き声が頭の中に響いてきてげんなりする。
早々と作業を済ませ酷く暑い日差しの中、立ち寄った行きつけの店はいつも不思議な雰囲気をたたえた店だ。
いや、雰囲気だけじゃないぞ…その店自体も経営している当人も不思議な。
いつものカウンターを占拠し煙草を吸っていると、笑顔でマスターが近寄ってきた。
「お暑ぅございますね!こういう時はどうも体力も気力もへたれてしまいますねぇ」
苦笑いしながら「そうなんですよね…こうさっぱりとしたいもんですよ」と応えたると、「では」とマスターが笑いながら新作だと言う飲み物を勧めてくれた。
「じゃぁ、それを…ください」
ここの飲み物はアルコール系もノンアルコール系も、名前や見た目、そして味に至るまで独特の雰囲気を持っている。
僕的にはとても興味深いものばかりだ。
登場したのは、とても愛らしいグラスに不思議な色合いの飲み物だった。
炭酸飲料でも無いのに口に含むと,何かがぱち、とはじけて口当たりが良い。
やや甘酸っぱいベリー系の味わいの中に、すぅと来る…これはミントかな?
背後からマスターが「名付けて爽華(さわやか)、でございますよ」と茶目っ気たっぷりに教えてくれる。
うん、確かに心地よい刺激があって爽やかだ。
と思いつつも内心「ベタだなぁ」と、ちょっと笑ってしまう。
夏は、これからだ。
しばらくはこの店で涼を取って、出かけようか。