menu.41「星まつり」
2013年8月10日
盛夏。
この街には星祭りと言う物があり、長い間、延々と続いている。
年に一度、海に沈む太陽がラヴェンダーの光を放ち、空に上がる月が珊瑚礁を思わせる紅色に染まりだした頃に祭が始まりを告げ、その三日間続く祭は今日が最終日だ。
夏を司る筒媛を称え、猛暑を思わせるその気性の激しさを鎮めるため、星のきらめきを封じたランタンを飾り星巡りの歌を唄い,踊る。
祭の夜はどの店も夜通し開いていて、僕が良く通うあの喫茶店も例外ではなかった。
今日は、優しい味の月色レモネイドと一緒に夏祭り限定の菓子を注文した。
羊羹の様なゼリーの様な、その菓子の中には小さな星が封じられ,薄暗く演出された店内でゆらゆらと煌めいて居た。
夏の夜空を思わせる藍色の中のその星に見とれ、振りかけられていた星屑がチカリと光るのを愉しむ。
暦の上ではもう夏は過ぎようとしているが、本当の意味での夏はこれからだ。
…切り分けて口に運んだ菓子の弾ける食感に,汗ばんだ体が少し涼んだ気がした。
●追記
まぁ、実際に似たようなお菓子があるかもな〜とか思ってはいたんだけど、本当にこういうビジュアルのお菓子があると知ったときは驚きましたw