幻想シリーズ 9月 26 2013menu.42「虹と星のカクテル」 流星祭の夜のみに採取出来る「星の欠片」を材料に仕上げた飴細工、 雨止まぬ森の向こうに掛かる虹の麓の酒工房製の「虹の酒精」を「星月夜」リキュールで溶いて、空色ジュースで割った物と… 後は星屑シュガーと… よし、できた。 …かの小さな街で、幻想… 続きを読む
イラスト 8月 24 2013描:海の底、たゆたう薔薇ありて それは、誰が投じた物かは判らない。 判らないが…それは尊く気高い想いが結晶となり、薔薇の花を象ったと言う。 かつて海を往き、不幸にも沈んでしまったその船の底。 愛しい人を待ち続け、そのまま消え去ってしまった貴婦人が傾けるグラスには、その想い… 続きを読む
幻想シリーズ 8月 10 2013menu.41「星まつり」 盛夏。 この街には星祭りと言う物があり、長い間、延々と続いている。 年に一度、海に沈む太陽がラヴェンダーの光を放ち、空に上がる月が珊瑚礁を思わせる紅色に染まりだした頃に祭が始まりを告げ、その三日間続く祭は今日が最終日だ。 夏を司る筒媛を称え… 続きを読む
幻想シリーズ 8月 1 2013menu.40「夏ノ夕暮レ」 日中の暑さも、夜が近づくにつれ若干とは言え収まっていく。 じんわりとまとわりつく暑気を払うべく立ち寄るのはいつもの店だ。 「いらっしゃいませ」といつも通りの柔和な笑顔を見せながら店主が近づいて来た。 —暑いね。 「お暑うございますねぇ。これ… 続きを読む
幻想シリーズ 7月 30 2013menu.39「STAR-RAIN」 夏の夜。 ようやく外気に涼しい風が混ざり、過ごしやすくなるこの時間帯は僕にとって心が休まるひとときだ。 窓から見あげた空には、星がゆらめいていた。 まさに降ってきそうな程の満天の星…。 ふと、あの店で飲んだカクテルを思い出す。 確か…名前は… 続きを読む
幻想シリーズ 7月 15 2013menu.38「さくらんぼゼリー」 毎日、お暑うございますね! セミの合唱には正直、げんなり致しますね…。 さて、今回は涼やかなデザートをご用意致しました。 桜の里にグレートチェリーと言う大きな花が咲く樹木があるのですが、その樹に実った大きなサクランボウをそのまま使っての冷菓… 続きを読む
幻想シリーズ 7月 4 2013menu.37「爽夏」 いよいよもって夏に突入した。 朝からセミの抜け殻を発見、しかも今夏最初の奴を見つけた瞬間、あの騒がしい鳴き声が頭の中に響いてきてげんなりする。 早々と作業を済ませ酷く暑い日差しの中、立ち寄った行きつけの店はいつも不思議な雰囲気をたたえた店だ… 続きを読む
イラスト 6月 27 2013描:ほっと一息。-カップベンダーの珈琲- 「お疲れ様」 同僚達の、まさに同情に満ちた挨拶に見送られ,俺はオフィスを後にした。 真っ直ぐ帰る気にもなれず、その足で下のフロアにある自販機コーナー兼休憩室へ立ち寄る事にする。 他人の失態から起きたミスを運悪く全面的にひっかぶる羽目になった… 続きを読む
幻想シリーズ 6月 18 2013menu.36「夏の日」 梅雨の雨はやたらとしつこく、さすがに傘を持たずに家を出たのはまずかったなと後悔した。 仕方が無いので、いつも立ち寄る喫茶店に雨宿りを兼ねて駆け込むことにした。 ここはこぢんまりとした店ではあるが、幻覚や夢を見るような気持ちにさせるメニューが… 続きを読む
幻想シリーズ 5月 15 2013menu.35「moon & sun」 そこには空がある。 蒼穹の空はやがて茜の色に染まり、そして藍の色へとその色を変化させていく。 その不思議な玻璃のグラスには昼と夜を分かつ輝きが星々と共に封じられているのだ。 時の砂は星の瞬きに姿を変え、そこに在(あ)る。 小さな玻璃の天蓋の… 続きを読む