ブログの絵・ロゴ・撮影写真はワタシのオリジナルです。無断流用・転載はしないでネ(^^;;

ショートストーリィ

menu.48「星月夜」 幻想シリーズ

menu.48「星月夜」

夏の喧噪がじわじわと収まり、やがて季節は秋へと移っていく。 コントラストの強い青空も、ゆっくりと疲れを癒すかの如き柔らかな色合いへと変化しているのに気付いた。 空と言えば、夜の空もじんわりと姿を変えていく。 さざめく星々の精霊の声も、年に一…
menu.47「さくらんぼゼリー弐」 幻想シリーズ

menu.47「さくらんぼゼリー弐」

お暑うございますね、お客様。 いよいよ夏がやって来た、と言った所でしょうか。 さて、今回は昨年ご提供さしあげた「さくらんぼゼリー」のバリエーションを、今夏限定でご提供いたしておりますよ。 巨大な桜の一種「グレート・チェリー」の変種「オーシャ…
menu.46「夕焼け珈琲」 幻想シリーズ

menu.46「夕焼け珈琲」

夏がいよいよ近づいて参りましたね。 そろそろ当店でも冷たいお飲み物のご注文が増えておりますよ。 本日、ご提供させて頂くのはこの冷たい珈琲でございます。 夕暮れの街で採れる珈琲豆をその土地に流れるわき水を使って淹れ、そっと冷やした物でございま…
menu.14「珈琲に想いを馳せる7月」 幻想シリーズ

menu.14「珈琲に想いを馳せる7月」

7月。やたら空のコントラストが強くなり始める時期だ。 白金色の太陽の下、今年も夏がやってきちゃったよなぁとつぶやきつつも、ついつい熱い珈琲を注文してしまう。 マスターが、ひとこと「お暑いですねぇ」と小首をかしげて苦笑いした。 しばらくして …
menu.45「光の誕生」 幻想シリーズ

menu.45「光の誕生」

「百億の昼と百億の夜をくり返し、やがて小さな輝きがきらと揺れて。大いなる宇宙に一つの、命溢れる惑星が生まれてきた訳ですよ」 「ほうほう」 「で、これを“光の誕生”と名付けました」 ドヤ顔で話したマスター。 「…で、マスター…この新作のテーマ…
menu.44「聖夜珈琲」 幻想シリーズ

menu.44「聖夜珈琲」

あくせくと働き、1年が過ぎて行く。 華やかな春を越え、情熱の夏を過ごし、長き夜の豊かな秋が過ぎていく。 この店にはいつも驚かされていて、不思議な飲み物やデザートや料理に色々と想いや心を映す。 街の中はクリスマスムード。 人恋しい季節だ。 ひ…
menu.43「睡蓮の想い」 幻想シリーズ

menu.43「睡蓮の想い」

掛ける言葉が毎回裏目に出てしまい行き違う気持ちが悔しい。 沈みきった心を引きずり歩いていると、不思議な雰囲気のカフェが見えてきた。 そう言えば、あそこって先輩から教えて貰った店なんじゃ…? レトロな佇まいを見せる、その店の古ぼけた看板には『…
menu.42「虹と星のカクテル」 幻想シリーズ

menu.42「虹と星のカクテル」

流星祭の夜のみに採取出来る「星の欠片」を材料に仕上げた飴細工、 雨止まぬ森の向こうに掛かる虹の麓の酒工房製の「虹の酒精」を「星月夜」リキュールで溶いて、空色ジュースで割った物と… 後は星屑シュガーと… よし、できた。 …かの小さな街で、幻想…
menu.41「星まつり」 幻想シリーズ

menu.41「星まつり」

盛夏。 この街には星祭りと言う物があり、長い間、延々と続いている。 年に一度、海に沈む太陽がラヴェンダーの光を放ち、空に上がる月が珊瑚礁を思わせる紅色に染まりだした頃に祭が始まりを告げ、その三日間続く祭は今日が最終日だ。 夏を司る筒媛を称え…
menu.40「夏ノ夕暮レ」 幻想シリーズ

menu.40「夏ノ夕暮レ」

日中の暑さも、夜が近づくにつれ若干とは言え収まっていく。 じんわりとまとわりつく暑気を払うべく立ち寄るのはいつもの店だ。 「いらっしゃいませ」といつも通りの柔和な笑顔を見せながら店主が近づいて来た。 —暑いね。 「お暑うございますねぇ。これ…